はじめに
前回の記事では、保険の仕組みと保険が元を取りにくい(損をしやすい)理由を書きました。
様々な保険ありますが、その中でも特に見直して欲しいのは、「医療保険」です。
医療保険は、病気やケガで入院した際に、日数に応じて保険金が支払われる保険です。特に注意したいのが、「あらゆる入院で保険が支払われる」というタイプの医療保険です。
今回の記事を読むメリット
・医療保険の知識が深まる: 医療保険の仕組みや選び方の基礎知識が身につきます。
・無駄な保険料を削減できる: 不要な保障を見つけることで、家計の支出を減らすことができます。
・自分に合った医療保険を見つけられる: ライフスタイルに合った最適な医療保険を選ぶためのヒントが得られます。
・医療保険選びの不安が解消される: 医療保険選びでよくある疑問や不安を解消します。
今回の記事をおススメする方
・医療保険の見直しを検討している方
・実際の保険料と元を取るために必要な日数の具体例を知りたい方
・無駄な保険料を払いたくない方
・家計の支出を減らしたい方
なぜこのタイプの医療保険に注意が必要なのか?
それは、単純に元を取れる可能性がとても低い(損をする可能性が高い)ためです。
前回の記事で説明したとおり、保険は基本的に損をしやすい(期待値がマイナス)ものですが、保障の範囲が広くなるほど元を取るのが難しくなります。
実例で説明した方が分かりやすいと思いますので、実際にある保険に当てはめてみましょう。
40才男性で次の内容の医療保険がありました。
(月々の保険料=3,470円、払込期間=終身、入院給付金=1日5,000円、手術保険金=50,000円、入院給付金支払い限度額60日)この場合、10年間で支払う保険料は約41.5万円になります。この金額をすべて受け取るためには、約83日間入院する必要があります。(手術をするともっと短い入院日数となります)
さらに、多くの医療保険には「入院給付金支払い限度額」という制限があります。これは、1回の入院で受け取れる保険金の最大日数を決めているもので、これを超えると、それ以降の入院日数分は保険金が支払われないということです。
つまり、どんなに長く入院しても、保険金が支払われるのは限られた日数だけ(今回の事例の保険では1入院60日間)なのです。
10年間1日も入院しなければ、保険料分まるまる掛け損です。この条件は分が悪いと思いませんか。
高額医療費制度とは?
そうは言っても、保険が無いと不安という方もいらっしゃると思いますが、公的な制度として「高額医療費制度」というものがあります。
高額医療費制度は、病気やケガで医療費が高額になった場合に、自己負担額の上限を国が定めている制度です。1カ月にかかる医療費が、所得や年齢などによって定められた自己負担限度額を超えた部分について、国がその差額を払い戻してくれる仕組みです。
解約しても大丈夫?保険の選び方
すべての医療保険を解約すべきというわけではありません。解約すべき保険と、残すべき保険はしっかりと見分けましょう。
ここでも何日間入院すれば、支払ってきた保険料の総額を上回るのかを計算することをおすすめします。
解約を検討できる保険
・あらゆる入院で保険金が支払われる保険: 元を取ることが難しいものが多いです。
・重複している保障がある保険: 複数の保険に加入していて、同じような保障がついている場合は、重複しているものを解約しましょう。
解約すると損する可能性がある保険
・昔に加入した保険: 古い保険の中には、現在よりもかなり良い条件の保険があります。
・満期が近い保険: 養老保険など、満期時に保険金を受け取れるタイプの保険は、途中解約すると受け取れる金額が減額されることがあります。解約返戻金(解約する際に受け取れるお金)を、必ず確認し満期保険金と比較してください。
どうしても医療保険に加入したい方へ
基本的には医療保険の加入はおすすめしませんが、どうしても不安という方は次の観点で選んでみてください。
ただし、保険料の金額と1日に受け取れる保険金から、保険料を上回る保険金を受け取るためには、何日の入院が必要かは加入前に確認しておいてください。
1 保健会社の取り分が少ない会社を選ぶ
保険の仕組み上、どうしても保険会社の取り分は発生してしまうのですが、なるべく保険会社の取り分が少ない保険を選びましょう。
個別の社名は挙げませんが、非営利に近い(○○共済等)会社の保険をおすすめします。
2 何にでも対応している保険は避ける(自分が必要としている保障だけに絞る)
保障の内容が広がるほど、元を取ることが難しくなります。自分が不安に感じることで、万が一のために備えたいものに絞った保険を選択しましょう。
3 月々の保険料の金額だけで選ばない
一般的に保険料は安ければ安いほどいいのですが、基本的に保険料の安い保険は掛け捨てが前提となります。
月々の保険料は高くても、返戻金があるものの方が元を取りやすいことはよくありますので、検討の参考にしてください。
まとめ
医療保険を見直すことで、家計の負担を減らすことができます。今回の記事を参考に、ぜひ一度、ご自身の医療保険を見直してみてください。保険を見直すことで、劇的に家計の負担を減らすことができる方も多くいらっしゃると思います。
また、保険の加入を検討している方は、何日の入院で元が取れるのかを計算する等、慎重に検討することをおすすめします。
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