はじめに
投資の世界には、「卵は一つのカゴに盛るな」という有名な格言があります。
これは、一つの金融資産だけに投資するのは危険という意味です。例えば、全財産をある一つの株に投資した場合、その株の価値が暴落してしまうと、投資したお金をほとんど失ってしまう(カゴの中の卵が全部割れてしまう)ことを例えた格言です。
今回の記事を読むメリット
- 投資初心者がしっておくべき情報が記載されている: 分散投資の基礎知識から、具体的なロボアドの活用方法まで、丁寧に解説します。
- リスクを抑えながら資産を増やす方法がわかる: 「卵は一つのカゴに盛るな」という格言の意味を理解し、分散投資の重要性を解説します。
- ロボアドのメリット・デメリットを比較検討できる: さまざまなロボアドの中から、自分に合ったサービスを選ぶためのヒントがあります。
- 具体的な行動に繋がる: ロボアドの選び方や、資産運用の始め方など、具体的なステップが分かります。
今回の記事をおススメする方
- 投資をこれから始めたい方
- 資産運用に興味がある方
- 分散投資についてもっと詳しく知りたい方
- ロボアドに興味がある方
- 預金だけでは不安を感じている方
なぜ分散投資が大切なのか?
では、どうすればリスクを減らすことができるのでしょうか?
それは複数の投資先に分散して投資することです。これが「分散投資」と呼ばれる考え方です。
例えば、株式だけでなく、債券や金(ゴールド)や不動産など、さまざまな種類の資産に投資することで、一つの資産の価格が大きく下落しても、他の資産の上昇でそれを補うことが可能となるというものです。
分散投資と集中投資の比較
分散投資と集中投資の特徴を簡単にまとめました。
投資手法 | リスク | 期待リターン | 主な特徴 |
---|---|---|---|
分散投資 | 低い | 比較的安定したリターン | ポートフォリオを通じてリスクを分散 |
集中投資 | 高い | 高いリターンの可能性がある | 特定の資産に依存しており、大きく資産を減らす可能性もある |
分散投資
- リスク低減: 異なる資産への投資により特定の資産が値下がりした場合でも全体への影響が限定的。
- リターン: 分散することによる安定性はあるが、分散した分、大きな利益が得にくい。
- 例: 株式、債券、不動産、商品、地域等を分散
集中投資
- リスク: 特定の資産に集中するため、その資産が値下がりすれば大きな損失を被る可能性が高い。
- リターン: 成功すれば高いリターンが期待できる。
- 例: 個別の株式や資産への集中投資
S&P500と全世界株式の比較
前回の記事で「S&P500」と「全世界株式」への投資をおすすめする記事を書きました。
これらを分散の観点から比較してみます。
項目 | 投資対象 | 株式の銘柄数 | 地域 |
---|---|---|---|
S&P500 | 株式 | 500 | アメリカ |
全世界株式 | 株式 | 約3,000 | 全世界 |
分散の観点からいうと、株式の数、地域ともに「全世界株式」の方が多様な会社、多様な地域、多様な市場に分散されていると言えます。
ただ、前回の記事で記載したとおり、ここ10年ほどの期間でみれば、ほぼ「S&P500」の方がリターンが上回っています。
分散によるリスクの低減効果がある一方で、分散が多くなればなるほど、リターンが上がりにくい面はあります。
なお、いずれも投資対象は株式となっていますので、投資対象の観点からは分散されていないとも言えます。
預金も「投資」の一種?
「私は投資はしないから関係ない」と思われる方もいるかもしれません。そのような方は資産のほとんどを預金していることが多いと思いますが、これは「日本円」という一つの通貨に100%投資していることと同じことになります。
過去(現在も)、大きく下落した通貨は多くあります。(タイ・バーツ、インドネシア・ルピア、アルゼンチン・ペソやギリシャ・ドラクマ最近ではトルコ・リラなど)
日本円も暴落しないとは限りません。なお、日本円に関して言えば、2010年と2024年の米ドル円の為替レートを比較すると、約80円から160円となっています。これは、米ドルに対して日本円の価値が約半分になったことを意味しています。
このように、預金も一種の投資と言えますので、円の価値が下がるリスクがあることは意識しておきたいです。
分散投資を簡単に始める方法
「分散投資は大切だと分かったけど、どうやって始めればいいのか分からない」という方も多いと思います。
たしかに債券や金、不動産などをそれぞれ購入するというのは現実的に難しいですよね。
そんな方におすすめなのが、「ロボアド」と呼ばれるAIが運用してくれるサービスです。「WealthNavi」などがその代表的な例です。
ロボアドを利用すれば、リスク許容度を設定するだけで、あとはAIが自動で最適なポートフォリオ(資産の配分)を組んで運用してくれます。
私も実際に「WealthNavi」等のロボアドを利用していますが、非常に手軽に分散投資を行うことができています。
ロボアドのメリットとデメリット
一般的にロボアドには、次のようなメリットとデメリットがあります。
- メリット
- 手軽に分散投資を始められる: 専門的な知識がなくても、簡単に分散投資を始められます。
- 手間がかからない: ポートフォリオの組み替えやリバランスなどを、AIが自動で行ってくれます。
- デメリット
- 手数料が高い: 一般的に、他の投資方法に比べて手数料が高いです。
まとめ
「卵は一つのカゴに盛るな」という言葉は、投資をする上で非常に重要な教訓になります。
分散投資は、リスクを減らし、より安定した資産形成を目指す上で不可欠な考え方です。
まずは、ロボアドなどを使って、手軽に分散投資を始めてみることをおすすめします。
慣れてきたら、他の投資方法も検討してみるのが良いのではないでしょうか。
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